JEPA4Japan · チュートリアル

第23章 — 2つ目の実験:PushTを再現する

1,202文字 4分で読めます #LeWorldModel#World Models#JEPA

接触動力学を含むPushTでデータ、訓練、目標画像計画、成功率と距離指標、失敗分類を扱い、TwoRoomとの差を比較します。

コース進捗 コース目次 48レッスン中 48件を公開中

第0部 読み方ガイド:私たちは何を学ぶのか

  1. 01 第0章 — はじめる前に 公開中

第1部 世界モデル:エージェントの頭の中にある実験場

  1. 02 第1章 — なぜエージェントには「未来を想像する」力が必要なのか 公開中
  2. 03 第2章 — なぜ次の画像をそのまま予測しないのか 公開中
  3. 04 第3章 — JEPAの発想:画面の複製ではなく意味を予測する 公開中
  4. 05 第4章 — 1枚の図でLeWMを理解する 公開中

第2部 画面を状態に変える:LeWMのモデル構造

  1. 06 第5章 — 軌跡データ:モデルにとって世界は画像集ではない 公開中
  2. 07 第6章 — 視覚エンコーダー:各フレームに「状態パスポート」を発行する 公開中
  3. 08 第7章 — 動力学予測器:頭の中で時間を前へ進める 公開中
  4. 09 第8章 — 完全な順伝播:1バッチを最初から最後まで追う 公開中

第3部 モデルの抜け道を防ぐ:予測損失とSIGReg

  1. 10 第9章 — 最も危険な近道:表現崩壊 公開中
  2. 11 第10章 — 予測損失:モデルはどのように次の一歩を学ぶのか 公開中
  3. 12 第11章 — SIGRegの直感:表現空間に「呼吸」をさせる 公開中
  4. 13 第12章 — 必要最小限の数学 公開中
  5. 14 第13章 — オリジナルLeWMのエンドツーエンド学習の仕組み 公開中
  6. 15 第14章 — すぐに表現崩壊しないモデルを訓練する 公開中

第4部 モデルを行動に使う:潜在空間での計画

  1. 16 第15章 — 目標条件付き計画:「今いる場所」から「行きたい場所」へ 公開中
  2. 17 第16章 — 潜在ユークリッド距離:便利だが、常に信頼できるとは限らない 公開中
  3. 18 第17章 — CEM:勝ち抜き方式で行動を探索する 公開中
  4. 19 第18章 — MPC:モデルを一度に長く信じすぎない 公開中
  5. 20 第19章 — 長期ロールアウト:小さな誤差が大事故へ育つまで 公開中
  6. 21 第20章 — 最小のLeWMプランナーをゼロから実装する 公開中

第5部 エンジニアリング再現:論文から動くシステムへ

  1. 22 第21章 — 公式リポジトリと実験環境 公開中
  2. 23 第22章 — 最初の実験:TwoRoomのスモークテスト 公開中
  3. 24 第23章 — 2つ目の実験:PushTを再現する 現在のレッスン
  4. 25 第24章 — 世界モデルを公平に評価する方法 公開中
  5. 26 第25章 — 失敗診断マニュアル 公開中

第6部 LeWMは何を学んだのか

  1. 27 第26章 — 線形プローブ:潜在状態にはどの物理量が含まれるのか 公開中
  2. 28 第27章 — 潜在空間を「健康診断」する 公開中
  3. 29 第28章 — 期待違反:モデルは「あり得ない出来事」に驚くのか 公開中
  4. 30 第29章 — 「世界を理解する」を厳密に語るには 公開中

第7部 「予測が正確」でも「計画がうまくいかない」のはなぜか

  1. 31 第30章 — 訓練目的と計画目的のあいだにある亀裂 公開中
  2. 32 第31章 — 大域的には表現崩壊していなくても、タスクに必要な動力学が保たれるとは限らない 公開中
  3. 33 第32章 — 等方ガウス事前分布はいつ強すぎるのか 公開中
  4. 34 第33章 — 長期計画:より遠くを予測するか、より賢く計画するか 公開中
  5. 35 第34章 — 位置の距離からタスクの進捗へ 公開中
  6. 36 第35章 — マルチタスク、実ロボット、視覚的外乱 公開中
  7. 37 第36章 — 理論的な境界:真の状態はいつ同定できるのか 公開中

第8部 再現者から研究者へ

  1. 38 第37章 — 信頼できるLeWM改良実験を設計する 公開中
  2. 39 第38章 — 実行可能な12の研究課題 公開中
  3. 40 第39章 — LeWM研究の未解決問題 公開中

付録 数学・実装・再現・査読のための参照資料

  1. 41 付録A — 最低限必要な数学ツールキット 公開中
  2. 42 付録B — PyTorch実装クイックリファレンス 公開中
  3. 43 付録C — テンソル形状の完全一覧 公開中
  4. 44 付録D — 実験設定カード 公開中
  5. 45 付録E — 論文タイムラインとエビデンスレベル 公開中
  6. 46 付録F — 用語集 公開中
  7. 47 付録G — 再現チェックリスト 公開中
  8. 48 付録H — 専門家査読チェックリスト 公開中

まず大きな絵

  1. history を見る近づいているか、離れているか。
  2. contact を保つどこへ、どう触れたか。
  3. 想像する滑るか、回るか、離れるか。
  4. 計画するsupport のある push を選ぶ。
PushT に必要なのは T の認識だけでなく、contact に必要な state です。

同じ T-shaped block でも、contact point が違う3つの push は滑りや回転を生みます。

小さなお話

ピアノの中央を押すと滑り、角を押すと回るかもしれません。1枚の写真だけでは、押す人が近づいているのか、contact を保っているのか、離れているのか分かりません。

PushT はこの話を simulated task にします。blue agent は T-shaped block を target pose へ押せますが、引けません。position だけでなく orientation、contact side、approach direction、次のよい push に行ける場所が大切です。simulator での成功は、この予算内制御の証拠です。一般 rigid-body physics や安全な robot skill の証明ではありません。

本当のルール

論文は20,000 expert episodes、平均196 environment steps、10 training epochs を報告します。expert でも全 contact mode を一様に覆いません。凍結 artifact から support atlas を作ります。contact location、approach direction、block position/angle、action magnitude/direction、contact duration/loss、episode boundary を数えます。sparse は「記録証拠が少ない」であり「物理的に不可能」ではありません。

split は episode-disjoint にします。artifact revision/hash、展開・変換、loader、image preprocessing、action/state normalization、history、frame skip、action width を記録します。frozen training YAML は pusht_expert_train.lance を指しますが、公式 public revision 655cd44 は compressed HDF5 を含み、README と evaluation path も HDF5 を説明します。

4つの reproduction target を分けます。

  1. checkpoint が load され finite output を出す。
  2. checkpoint が locked evaluation を走る。
  3. fresh model を train して同じ evaluation に入れる。
  4. 複数 training seeds で定義済み statistic を出す。

paper card は history 3、10 epochs、特記なければ SIGReg weight 0.1。frozen code も history 3 ですが、maximum 100 epochs、weight 0.09 です。調査した official checkpoint revision は 22b330c です。

だまされる反例

最後の frame がほぼ同じ2本の short history を作ります。片方は inward contact して回転を始め、もう片方は横を滑って離れ始めています。同じ next action を与えます。

full history で適切に違う prediction が出れば、recent visual context が役立っています。prediction が違っても real outcome と合わなければ dynamics が悪いです。rollout がよいのに CEM が悪い contact を選ぶなら cost/search を調べます。両 history を last frame だけにする操作は、observability の欠落を試します。

最後の frame ではなく最初の divergenceを分類します。no contact、wrong side、translation/rotation confusion、contact loss、false progress、support exploitation、cost failure。decoder がきれいでも angle error を隠せます。probe で angle が読めても、predictor/cost が使う証拠ではありません。

learned dynamics + oracle cost は ranking、oracle dynamics + learned cost は rollout、両 oracle + same finite CEM は search/action parameterization を試します。privileged tutorial diagnostics で、deployable LeWM baseline ではありません。

実験のレシート

goal は任意ではありません。recorded trajectory の start と25 environment steps 後の state を使い、action budget は50です。planning は5 model blocks、1 block 5 environment actions、5 blocks 実行して replan。CEM は300 candidates、30 elites、30 refinements、initial variance 1。1 plan は25 environment steps を覆い、frozen interval はその全部を実行します。

LeWM v3 は同じ50 trajectories 上の3 training seeds を報告します。

Method著者報告 PushT success
LeWM96.0 ± 2.83
DINO-WM92.0 ± 1.63
PLDM78.0 ± 5.0

差はこの protocol 内で4、18 percentage points です。万能な percent improvement ではありません。caption は accompanying quantity を “variance” と呼びます。± だけから SD、SE、CI へ改名できません。success と position/orientation error、overlap/task measure、closest approach/reversal、actions/replans、hardware 付き timing、first failure を併記します。

DINO-WM は pretrained DINOv2 encoder、元の LeWM は task trajectories で visual encoder を end-to-end training します。pretraining と modality provenance を残します。

3つのクイック質問

  1. 似た2枚の PushT frame が違う next prediction を必要とするのはなぜですか。
  2. support atlas の sparse cell は何を意味しますか。
  3. 96.0 ± 2.83 を exact protocol から離せないのはなぜですか。