JEPA4Japan · チュートリアル

第17章―同じ周回数は、同じ費用ではない

1,153文字 3分で読めます #LeVJEPA#JEPA#自己教師あり動画学習#SIGReg

周回数一致と FLOPs 一致を分け、効率のよい方法が同じ予算で多く学べる理由を考えます。

コース進捗 コース目次 34レッスン中 34件を公開中

第0部―まず地図を広げる

  1. 01 第0章―始める前に:この講座でできるようになること 公開中
  2. 02 第1章―同じ動画を、二つの窓から見る 公開中
  3. 03 第2章―Yann LeCun の研究路線をたどる 公開中
  4. 04 第3章―名前に迷わないための JEPA 家系図 公開中

第1部―簡単な目的で、なぜ動画が分かるのか

  1. 05 第4章―動画は自分で問題を作れる 公開中
  2. 06 第5章―全ピクセルではなく、意味を残す 公開中
  3. 07 第6章―二枚は同じに。でも全部を白紙にはしない 公開中
  4. 08 第7章―SIGReg:点の雲を影から調べる 公開中
  5. 09 第8章―一行の目的関数で LeVJEPA を読む 公開中

第2部―一本の動画を一台のエンコーダーへ

  1. 10 第9章―大域ビューと局所ビューの作り方 公開中
  2. 11 第10章―動画を時空間の小片に切る 公開中
  3. 12 第11章―一台のエンコーダー、一つの投影ヘッド、一枚の要約札 公開中
  4. 13 第12章―一回の前向き計算を端から端まで 公開中
  5. 14 第13章―95%捨てると、なぜかよく見える 公開中
  6. 15 第14章―ブロック因果注意:同じ時刻は見える、未来は見えない 公開中
  7. 16 第15章―RoPE、1フレーム tubelet、思いがけない密特徴 公開中

第3部―実験を読めてこそ、論文を読んだと言える

  1. 17 第16章―五段のアブレーションが答えること 公開中
  2. 18 第17章―同じ周回数は、同じ費用ではない 現在のレッスン
  3. 19 第18章―ImageNet、K400、SSv2 は何を試すか 公開中
  4. 20 第19章―論文の結果を帳簿にする 公開中
  5. 21 第20章―まだ言ってはいけない結論 公開中

第4部―公式リポジトリから自分の実験へ

  1. 22 第21章―公式リポジトリの見取り図 公開中
  2. 23 第22章―Walking Tours:10本の長編を学習データにするまで 公開中
  3. 24 第23章―既定設定を読み、学習を始める 公開中
  4. 25 第24章―うそをつかない小さな動作確認から始める 公開中
  5. 26 第25章―学習なしで公開重みから特徴を出す 公開中
  6. 27 第26章―自分の動画を凍結評価する 公開中

第5部―表現を世界モデル構想へ戻す

  1. 28 第27章―大事な境界:LeVJEPA は計画器ではない 公開中
  2. 29 第28章―LeVJEPA を次の世界モデルへつなぐ 公開中
  3. 30 第29章―入門から論文まで、10の研究プロジェクト 公開中

付録―必要なときに開く技術リュック

  1. 31 付録A―これだけは要る数学道具箱 公開中
  2. 32 付録B―完全テンソル形状表 公開中
  3. 33 付録C―用語集と論文年表 公開中
  4. 34 付録D―再現とレビューのチェックリスト 公開中

周回数と燃料代

  1. 同じ周回エポック数をそろえる
  2. 燃費は違う1サンプルの FLOPs
  3. 同じ予算FLOPs をそろえる
  4. 多く回れる1085周
同じエポック数はデータを通った回数、同じ FLOPs は総計算量をそろえます。二つは別の公平さです。

二台のスクールバス

どちらも街を240周します。一台は一周一缶、もう一台は八缶の燃料を使います。走った距離は同じでも費用は違います。逆に同じ燃料だけを渡せば、低燃費車はもっと回れます。動画事前学習でも、データ周回数と計算請求書は別物です。

二通りの比較

総学習計算は大まかに「サンプルを見た回数 × 1サンプル当たりの計算量」です。LeVJEPA は学習時に疎なトークンだけを符号化し、目標エンコーダーと予測器の前向き計算もないため、1サンプル当たりの計算量が小さくなります。

手順固定するもの変わるものv1 の設定
周回数一致同じデータ、エポック数、実効バッチサイズ、評価方法総 FLOPsK710の20%、240周、実効バッチサイズ3072。比較手法を公式実装と推奨条件で再学習
FLOPs 一致同じデータ、モデル規模、総事前学習 FLOPs、凍結評価周回数と視点予算ViT-B、K710の20%。LeVJEPA は1085周、V=10

周回数一致図で著者が報告する V-JEPA 2 に対する計算優位は、規模により 5.6–20.8×。ViT-B の精度差は1点未満、総計算は 4.8 対 36.4 ExaFLOPs。ViT-L は5.6×少ない計算で1.9点高いとされます。「同じ240周ならどちらが安いか」への答えです。

FLOPs 一致表では、1サンプル当たりの節約を長い学習へ使い、LeVJEPA は1085周と10個の局所視点を得ます。著者報告は IN1K 61.0、SSv2 40.4、K400 44.6。「同じ請求額なら何を学べるか」への答えです。1085周が無料なのではなく、より多くデータへ触れたことも手順の一部です。

公式リポジトリの既定値はさらに別です。Walking Tours、26周、V=10、約10k最適化ステップ、実効バッチサイズ3072です。K710 20%の240周比較でも、1085周の FLOPs 一致比較でもありません。また、学習時の削減だけから推論が20倍速いとは言えません。評価時には全トークンを戻します。ブロック因果注意のキャッシュによる逐次処理の利得は別の話です。

同じ「7.6」に注意

36.4 ÷ 4.8 ≈ 7.6 は ViT-B 周回数一致の計算比です。一方、FLOPs 一致表で IN1K 61.0 が次点53.4を上回るのも 7.6ポイントです。同じ数字でも単位が違います。実験札にデータ、周回数、総 FLOPs、プローブを書き、どれかが欠けたら「公平に勝った」とは言いません。

請求書の出典

財布に入れる三文

  1. 同じエポック数は同じデータ周回数で、同じ計算量ではありません。
  2. FLOPs 一致では、1ステップ当たりの低い計算量を1085周と V=10 に換えます。
  3. Walking Tours の26周既定値は、論文のどちらの比較手順でもありません。

会計テスト

  1. 240周、バッチ3072はどちらの比較ですか。
  2. FLOPs 一致の LeVJEPA は何周ですか。
  3. 学習時95%削減なら、評価も5%だけ読みますか。
答え
  1. 周回数一致。
  2. 1085周、V=10。
  3. いいえ。評価と推論では全トークンを使います。